美容師とは技術職である

 最近、美容院部門の更なる技術向上へ向けての練習を共にする事が増えてきました。他分野の技術者としての目線、分析能力、感覚で修得した技術の言語化を参考にしてもらっています。そもそも、指摘に他意がないので美容師側としても受けとめやすいそうです。

 そんな中で改めて私が感じる事は美容師は技術の集積だということ。まるで当たり前のことを言っている様に聞こえるかもしれません。そんな、皆様からも、美容師は夜遅くまで練習しているよね(当店は能率が落ちるため、夜遅くまではしませんが)。シャンプーの練習で手が荒れるんだよね。などのお言葉を頂きます。私が感じているのは、その言葉から得られる感覚以上の技術を修得するための技能の修練、どの様な手順を踏むかの技法に対する知識、道具に対する考え方の研鑽でした。

 実は、こんな話をさせていただくのも先日、同業他社からこんな言葉が漏れてきました。「美容院は正直どこも同じで、どのエリアを抑えるか。後は美容師は、容姿としゃべりだよね」っと。

 なるほど。

 カウセリング一つとっても質問技法が活用され、豊富な薬剤、髪の毛に対する知識、髪に如何にダメージを与えずにデザイン性を高めるかの理論、生えグセを把握する手の感覚、クセのある毛とまっすぐな髪では、ハサミの入れ方の角度から、乾かし方まで変わってくるこの職業。少し視野が狭くないかい?っと思ってしまいました。

 美容院の低価格化による、技法の簡略化。美容師のファッション化。店舗の見栄えに頼った営業手法。これらは、どの業界にも似たような事例が起きて技術の空洞化をまねいています。

 例えば飲食で言えばフレンチなどはもっと美味しい店が昔はたくさんありました。コックである親父によく連れられて行ったものです。しかし、その多くは上記に似たような時代の波にあがなうことができませんでした。

 時代のニーズに逆行する、懐古的な考えかもしれませんが、技術大国の日本人として生まれた我々は、宣伝も大事ですが、商業主義過多に走ること無く、技術者たることを主眼にすることを考え方の指針としていきたいです。