珈琲の科学 珈琲が美味しくなりました

 当店の珈琲の等級が更に上がりました。実は今回は私が努力したわけではなく、当店の焙煎士がブラジルの農園と専属契約。豆の採取方法を完全手摘みによる完熟豆だけを摘み取る方法に切り替えてくれたおかげです。

 以前も前置きにて述べさせていただきましたが、味に関しての科学を持ち出すことは少し興をそぎます。例えば奥様が「あなたと結婚した理由は、遺伝子が遠縁に当たるから免疫力が高まると思って」とおっしゃったら?例えばお友達に「ゴッホの絵が好きな理由は、反対色によって網膜のM錐体に刺激を感じるから」と言われたら?その特異性に魅力を感じてしまう人もいますが…一般論的にこの返答は、興をそぎます。

 ただ、『美味しくなった』を言葉でどの様に表現するかを試行錯誤している時に、少し遊び感覚ではありますが、今回も科学的なアプローチで表現してみようと思いました。

 珈琲の味などというものは精製方法、品種、産地等によって天文学的数値で変化していきます。そこで今回は、既出の「完熟豆だけを摘み取る」に美味しさがどの様に関係してくるのかをご説明させていただきます。珈琲豆の熟度の管理の指標にジクロロゲン酸の濃度をチェックするといものがあります。このジクロロゲン酸の味を表現すると鉄分の渋みに似ていてあまり、好ましいものではありません。ジクロロゲン酸は、豆が成熟していくと徐々に減少していきます。つまり、完熟豆はジクロロゲン酸の含有量が少なくなります。
 
 そして、熟度を知るために使われる指標がもう一つあります。甘味成分であるショ糖の含量です。ショ糖は、未成熟から完熟になるに連れて徐々に増えていき、完熟以降は徐々に減少していきます。つまり、甘み成分をより多く含んだ豆が完熟豆なのです。ただ、このショ糖が焙煎される豆にどのぐらい移行されるかはまた別のお話で。

 さぁ、当店でジクロロゲン酸の含有量が少なくて、ショ糖をより多く含み、より好ましい味になった珈琲を飲みに来ませんか!?