Kony and Samantha

 当店のエスプレッソマシン、コーヒーグラインダーのコニー(Kony)とエスプレッソマシンのサマンサ(Samantha)が選出された右斜め上のサイドストーリーです。

エスプレッソマシンのお話

 
 Konyは臼挽きの機構をもっています。蕎麦の石臼挽きに見られるように香りに特徴があります。上位機種ということもあり、グラインドの精度も高く、雑味がありません。そして、Samanthaはエスプレッソマシンとして、原始的な構造を持ったピストンレバー式のマシンです。車に例えるならクラシックのマニュアル車です。現在のコーヒーショップの多くは、セミオートマシン、フルオートマシンを採用しています。マシンは、自動化するほど抽出精度が高まります。逆に、ピストンレバー式のマシンは、人間が関わる部分が多く、中々味が安定しません。フルオートマシンは目詰まりを防ぐためなど内部的構造に制約があり、一つ抜けたレベルの高い味を抽出できません。高精度で平均点の高いコーヒーを抽出したい場合、通常選ぶべきマシンは、セミオートマシンなのかもしれません。

愛すべきヒューリスティックス

 しかし、こんなお話もあります。1900年代にガルリ・カスパロフ(1963-)というチェスの世界チャンピョンがいました。1996年カスパロフは、ディープブルーというスパーコンピュータとチェスの対局をしました。ディープブルーは、秒間2億手の先読みをします。この対戦に勝利したのは、カスパロフでした。人間は、先読みできてもせいぜい20手だといわれています。そんな人間がコンピュータに勝利したのは、直感力(ヒューリスティックス)の存在があるからです。カスパロフの直感力は、才能と経験的知識の蓄積により培われました。この例に示される様に論理的な思考も大切ですが、人間の秘めたる部分の可能性も魅力的なのです。
-1997年の再戦の際には、カスパロフは負けてしまいました…。

技術の遠回り

 実体験ですが、より原始的な仕組みを知ると応用が効きます。例えばコンピュータの使用者の多くは、ソフトウェアの開発が出来るわけではありません。そして、ソフトウェアの開発ができる人も電子工学の知識がなければ回路やプロセッサの設計ができないため、コンピュータ自体を作ることができません。しかし、流れを逆にした場合は、上手くいきます。上流工程への深い理解と原理を知ることは、道具、技法、技能の調和をとることにつながります。

そんな、右斜め上なサイドストーリー…。